株式会社イオス

2022.03.01 四季養生

プロフェッショナル養生訓 菌と元気野菜の達人Vol.1 吉田 俊道先生

各分野のプロフェッショナルにインタビューをした四季養生の
『プロフェッショナル養生訓』です。

今回のプロフェッショナルは菌と元気野菜の達人 吉田先生です!

農業法人 (株)菌ちゃんふぁーむ
代表取締役 吉田 俊道 先生

「菌の恵み」

 私は長崎県の佐世保市で無農薬の「元気で健康な野菜づくり」を実践しています。
大きな特長は、土壌に、つまり微生物のエサとなる野菜くず枯草や木くずなど
を混ぜることで、土を発酵させて菌を育てている点です。いろんな菌の力によって
土壌が健康で元気だからこそ、その土で育つ野菜も健康で元気で美味しく栄養豊富
になります。
世間には大きな勘違いがあります。虫が食ってる野菜は無農薬で美味しい証拠と
いうこと。実はこれ大間違いなんです。虫が食うってことは野菜が弱っている証拠
で、栄養価が低く味が良くない野菜だということ。本当は、栄養がぎっしり詰まっ
ていて美味しい野菜には虫は寄りつかないのです。実際に私の畑は農薬は一切使わ
ず化学肥料なしで、虫にも食われず綺麗で元気な野菜が育っています。

自然界の全てが補い合い、循環し均衡が取れている
 自然ってうまく出来たもので、感心するんですが、虫にも菌にも存在する意味
ちゃんとあって、自然界の中で大切な役目を果たしているんです。虫は農業の敵で
はありません。本来、虫は分解者と呼ばれていて、死んだものや弱ったものを食べ
る役を担っています。このような私たちと反対のものを食べる生き物がいるからこ
そ自然界は循環できています。弱い野菜にたかる虫を一時的に農薬を使って殺した
としてもその野菜は弱いままです。人間にとって美味しくてエネルギーたっぷりの
野菜は、抗酸化物質などの高分子の栄養成分が多く、虫には消化吸収できません。
これが元気野菜には虫が寄りつかない理由です。
野菜が元気になる条件は土の中に菌が豊富で土が発酵していること。私の農業の
基本は土の中を微生物いっぱいにすることと、生命の成分ミネラルを入れることな
んです。だから私の畑の土をよく見ていただくと白い菌糸がたくさん伸びています。
これが私の畑を「菌ちゃんふぁーむ」と命名した由来です。土を強くするには菌・
微生物の力とミネラルが欠かせません。もし農薬をかけてしまったら、虫だけじゃ
なく分解者である菌や微生物がいなくなりますから、それはもう循環しなくなって
いる畑ということになってしまいます。
実は人間の体も同じで、腸内の有用菌を増やせば人は途端に元気になるものです。
だって食べたもので体は出来ていますから、強い土で育った健康で元気な野菜を食
べれば人は健康になる!とてもシンプルな話です。少々の病気ですぐ薬を飲んでた
ら腸内細菌が死んで、かえって体が悪くなるのと同じことですね。

腸内も菌だらけにすれば元気な体になる!
 全て自然の法則に従えば間違いはありません。土の中にも体の中にも生命の働き
に重要なミネラルを入れることが大事なんです。そのために私は畑に牡蠣の石灰分
を入れますけど、これは人間がすべてのミネラル成分が揃っている海のものを食べ
ることと同じですね。煮干しや小魚、昆布、雑穀なんかを一物全体、つまり丸ごと
食べること。要するにこの生命の成分が発酵を助けるということです。じゃあ畑を
発酵させるように、腸内を発酵させるにはどうしたらいいでしょうか?これも畑か
ら教えてもらったんです。畑には小さく砕いた野菜くずなどを入れるとうまく発酵
します。これを人間に置き換えたら、発酵食などの食べ物をしっかり摂って、よく
噛むこと(粉砕)が大事です!これが微生物の餌になって腸内で発酵が促進されます。
これで誰でも元気になれるんです。

旬の時期に食べることがどれだけ大事か?
 体に入れるならやはりオーガニックが一番です。でも食べる野菜を全部オーガニ
ックにするのは難しいから、せめて旬のものを選びましょう。ところが今、野菜は
年中作られてて、旬がいつなのか分からなくなってるんです。そこで簡単な見分け
を教えますね!その野菜全体が通常のダンボール箱の中に入ればそれは冬のもの
です。たとえばトウモロコシは背が高い茎もありますからダンボールに入りません
よね。だからこれは夏が旬なんです。つまり旬が冬の野菜は葉っぱと葉っぱの間に
茎がない、ツルがないってことです。どんなに寒くても生き延びる形をしているん
です。だからほとんどの葉物野菜の旬は冬です。なのに葉物野菜を夏でも作らなき
ゃいけないのが現状で、その代表例がキャベツとレタスです。これらを夏食べても
栄養価が低いので、食べるなら冬が絶対にいいです!夏はお腹を腐らす。その証拠
にキャベツやレタスを夏そのままにしたらすぐに腐って腐敗臭がします。じゃあ夏
は何を食べるか?そこでおすすめの葉物野菜が空心菜(くうしんさい)です。空心菜
を食べたらお腹の中が発酵するんです!私が全国のお子さんからシニアの方までお
すすめしたい野菜です。空心菜は暑ければ暑いほど元気になる野菜で、あれだけ強
烈な紫外線を浴びても、それを中和するだけの抗酸化力(ファイトケミカル)を持っ
ています。旬じゃない夏にキャベツを育てるから、冬より数倍も多くの虫が来て農
薬をかけないといけなくなり、結果的に自然に負担をかけて地球環境が悪くなって
しまっているんです。

人も野菜も環境が厳しいほど強くなる!
 厳しい夏の暑さでも育つ野菜は夏が一番強い、厳しい寒さでも育つ野菜は冬が一
番栄養価が高い。つまり環境が厳しいほど野菜は強くなるんです。厳しい環境にも
勝るほどの強い抗酸化力を持っているから、旬の時期に食べるものがもの凄く体に
いいんです。これが自然の法則に従うという食べ方です。
今、人間は殺菌・消毒で菌を避ける生活を強いられていますが、このままだとか
えって弱くなります。命に関わらないなら雑菌は多少体に入れたほうが免疫力は上
がります。野菜と一緒で人間も厳しい環境にいると強くなり、守られすぎると弱く
なる
ものです。雑菌が入ることで、戦うために免疫細胞が鍛えられますから、様々
な強いウイルスが入って来てもそれに負けない免疫力が備わっていることになりま
す。だから風邪も時々はひいた方がいいんです(笑)。免疫力を働かせる練習みたい
なもので、軽い病気は本当はありがたいことなんです。日頃の鍛錬が大事で、歩
かないと足が細くなるのと同じですね。

どんな食生活をすれば免疫力を高められる?
私がおすすめしたいのは、とにかくお腹を発酵させるための食生活を心がけるこ
と。そして菌を大事にすること、さらに生命力に必要な微量栄養素を入れることで
す。微量栄養素とは主にミネラルと抗酸化成分(ファイトケミカル)です。ファイト
ケミカルは野菜の皮と成長点(根や茎の先端)にありますから捨てずに丸ごと食べる
ことです。玄米も皮を丸ごと食べますから有益です。オーガニックの野菜と米は有
用菌や微量栄養素の宝庫ですから、摂れば摂るほど健康になります。
「大切なものは目に見えないんだよ」と星の王子様に書かれているように生命の
本質は、科学ではまだ測定できない見えないエネルギーにあるんです。そしてよく
噛むこと
空腹時間を増やすことお腹を冷やさないことも忘れないでください。
発酵食品を摂ることと体温を高く保つことで腸内環境をさらに鍛えられます。そし
て日頃から免疫システムを稼働させる練習のため、身の回りを殺菌しすぎないよう
にすること。や土と触れ合い多少の雑菌を入れることが、実は病原菌の増えるこ
とのない健康体
をつくるためには大切です。常に細胞は入れ替わっていますからこ
れらを実践することで誰でも数ヶ月で変われます!こんな時代だからこそ自分で元
気な体を作っていきましょう!くり返しますが、理屈は元気野菜づくりと同じで
腹を発酵させる
食べ物を食べることと、ミネラルをバランス良く含んだ生命力の強
いものを食べる
こと。この二つだけ!これが私が農業と自然から教えられたことです。

RROFILE
菌ちゃんふぁーむ
代表取締役 吉田 俊道先生


発酵食品といえばヨーグルトと
思いがち
ですが、味噌のほうが
断然乳酸菌のレベ
ルが高いです。
ヨーグルトは1日~2日で出
来ま
すが、味噌は最低でも1ヶ月以上かかり
ます。さらに塩という厳しい環境で育った
乳酸菌だからこそ非常に強くなるんです。
厳しい環境でこそ生命は強くなるんです。

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