株式会社イオス

2023.09.11 四季養生

プロフェッショナル養生訓 分子栄養学の達人 大野 真理先生

各分野のプロフェッショナルにインタビューをした季刊誌・四季養生の
『プロフェッショナル養生訓』です。

今回のプロフェッショナルは分子栄養学の達人 大野先生の第1回目です!

Healty and Happiness(ヘルシーアンドハピネス) 代表
大野 真理先生

テーマ『アンチエイジング』

分子栄養学とは?
分子栄養学とは食事やサプリメントなどの栄養素を用いて、体を構成する
数十兆個の細胞の働きを向上させ、様々な病気を治す療法のことを言います。
つまり栄養面からのアプローチ生活習慣の見直しによって、病気の根本に
ある原因を改善することを目的としています。私は分子栄養学のカウンセラー
をしていますが、具体的にはお医者さんの診断に基づいて、どの栄養素を
どのくらい摂ればよいかなどをアドバイスしています。そういった医師の
サポートをしたり、個人でカウンセリングやセミナーを行っています。

老化は何故すすむのか?
どなたも老化を食い止めていつまでも若々しくいたい、健康的に行きたい
という願いはあると思います。老化とは酸化、つまりサビていくことです。
分子栄養学では細胞が錆びつかないように、抗酸化が充分にできているか
どうかを「尿酸値」で見ています。実は犬やヤギは体内でビタミンCを作る
ことができるので、病気をするとじっとして体内でビタミンCを作って病気
を治しますが、人間は体内でビタミンCを作ることができません。
それで、その代わりに抗酸化してくれるのが尿酸です。栄養療法では、尿酸
値が低すぎても高過ぎても抗酸化能力が落ちているという見方をしています。
人は基本的にはビタミン・ミネラルを食品から摂って抗酸化しなくてはいけ
ません。老化の原因の9割は活性酸素が原因と言われています。老化を早め
るのは悪しき生活習慣です。喫煙や睡眠時間・熟睡時間の不足また運動不足、
さらに食生活ではたんぱく質不足は深刻で、逆に糖分は摂りすぎています。
特に日本人は総じてたんぱく質不足です。

栄養学的にみたシワやたるみの正体とは?
食生活でアンチエイジングを考える上で最も重要視してほしい成分はたんぱく
なのですが、その理由はたんぱく質が肌や骨の材料となるからです。骨とい
えばカルシウムと思いがちですが、実はたんぱく質が最も大切です。老化が最
も目に見えて分かるのは顔なんですが、顔の若さを左右するのは実は頭蓋骨
す。若い時と比べて、年を重ねてくると、顔の骨の細胞が少なくなります。
骨が縮む、つまり頭蓋骨自体が小さくなるから顔の皮膚が余り、シワやたるみ
が現れ、老け顔になるのです。骨も筋肉もたんぱく質から作られますから、
ンチエイジングの基本はたんぱく質にあるのです。もちろんカルシウム、マグ
ネシウム、カリウム、ビタミンD、ビタミンKなどの栄養素も必要ですが、大き
なベースとなるたんぱく質不足の日本人が非常に多いことに私は警鐘を鳴らし
たい!たんぱく質不足が日本人が老けやすいと言われる大きな原因だと考えま
す。シニアの方にとって骨と言えば、骨粗鬆症を心配されると思います。

くしゃみをするだけで骨折するなど大変な思いをされている方が身近にいらっ
しゃるのではないですか?そうなりたくないと多くの方が牛乳やヨーグルトか
らカルシウムを摂ろうとしますが、私はおすすめしません。実はカルシウムは
マグネシウムとのバランスが非常に大事で、カルシウムだけ摂るとカルシウム
過多になってしまい、何より腸を荒らしてしまうからです。そうなると栄養を
吸収しにくくなりますから元も子もありません。

日本人の体質に合った食生活を考える
日本人の8割が乳糖不耐症です。乳糖不耐症とは牛乳に含まれている乳糖を消
化吸収できず、下痢などの症状を引き起こす病気のことです。日本人は乳糖を
分解するためのラクターゼと呼ばれる酵素が生まれつき不足している方が多い
のです。だから骨を守るにはもちろんカルシウムも必要ですが、たんぱく質を
まず第一に意識することです。また日本人は消化力がすごく弱いことをご存じ
でしょうか?血液検査では消化力はペプシノーゲンの数値で見ます。欧米人だ
と50~70あるところ、日本人は20~30と少ないんです。大きなステー
キを毎日のように食べている欧米人はたんぱく質から消化酵素を作っています
が、普段欧米人ほどお肉を食べていない日本人は消化酵素が少ないと言われて
います。玄米菜食を実践して自分に合っているかも?と思ってしまいがちです
が、実はそれは合っているのではなく、消化力がないだけだったりします。
実際、肉食を避け、玄米菜食を続ける方が急にお肉を食べたらうまく消化でき
なくて、具合が悪くなることもあります。これは、お肉が体に合わないのでは
なく、消化しにくい体になっているだけなんです。このような食生活ではさら
に老けるという悪循環に陥ります。身の周りで思い当たる方もいると思います
が、高齢になっても若々しくて元気な方って意外とお肉をモリモリと食べてい
ませんか?

自分に合った栄養の知識を身につける
昔、自然食品店に勤めていたこともあって私もマクロビオティックをやったこ
とがあります。玄米菜食でお肉を控えて、卵も少しだけという自分では健康的
な食生活に思えたのですが、なんと当時20代でシミが出てきて、どんどん
け顔になっていく自分に驚きました。栄養学についてしっかり勉強して驚いた
のは50代、60代になる分子栄養学の先生方が肌にハリがあって若々しい
です。偏った情報だけでなく、しっかりと栄養の基本的な知識を勉強して、情
報を鵜呑みにすることなく自分に合った食生活を実践してほしいという思いで
現在活動しています。野菜だけをたくさん食べれば健康になるのではなく、
んぱく質、糖質、脂質のバランスが重要であると理解することが大事であるこ
とを多くの方に知ってほしいのです。

各栄養素の摂取量の目安とは?
各栄養素の摂り方としては、たんぱく質を多く含む食品は毎食、大体片手のひ
らに乗るぐらいを目安と考えてください。ステーキならしっかり一枚100g
~200gです。卵は一個だけでは足りないので卵と焼き魚といった具合です。
とにかくたんぱく質は一食で手のひらぐらい摂るように意識してください。
日本のホテルや旅館で出るような和食はバランスがすごくいいと思います。基
本的にご飯と味噌汁ですよね。そして味噌汁には豆腐が入っていて、味噌から
もたんぱく質が摂れるし、焼き魚や卵焼きもついて本当に完璧です。お昼の外
食時は、うどんだけなど単品にせず、他のおかずがついた定食がおすすめです。
パンだけ、パスタだけでは炭水化物、つまり糖質で満たされてバランスがとれ
ません。栄養の偏った食事を続けていると新型栄養失調になってしまいますし、
糖化につながり早く老けてしまいます。ご飯の目安は握りこぶしぐらいです。
肉体労働など活動量が多い方はその倍ぐらい摂るようにしてください。糖質も
必要ですから過度な糖質制限などは避けてください。野菜は両手のひらに乗る
ぐらい、果物はギュッと握ったこぶしぐらいが目安です。このように、たんぱ
く質、糖質、脂質のバランスがとれていれば、特にダイエットを意識しなくて
も自然と太りにくくなります。

かっこよく歳を重ねて素敵な人生を歩むために
特に60歳を過ぎると、食生活の違いによって健康状態や見た目に大きな差が
出てきます。年齢を重ねても若いと言われる方は、やっぱり栄養バランスを考
え、自分の健康は自分でつくるという高い意識を持っていらっしゃる方が多い
です。アルツハイマーやがんは10年~20年かけて発症しますから、できる
だけ早く食生活への意識を変えてほしいのです。今からでも遅くはありません。
しっかりと栄養の知識を身につけ、多くの方にかっこよく歳を重ねてほしいも
のです。私自身も常にそれを意識して勉強を続けています。

PROFILE


Healthy and Happiness
代表/分子栄養学カウンセラー
大野 真理先生
https://healthy-happiness.jp/

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