株式会社イオス

2026.10.13 スタッフブログ

神秘の巨木「クスノキ」

 こんにちは。㈱イオスバイオテクノロジー推進事業部の松永と申します。

今回は、天然の防虫剤「樟脳」とその原料となる「クスノキ」についてまとめてみました。

クスノキ(樟/楠)について

中国から日本へ伝わる過程で、木そのものを表す字として「楠」、樟脳が採れる木として「樟」という2つの漢字が使われるようになりました。

日本の神社には樹齢数百年から千年を超えるクスノキが数多く残されており、ご神木として祀(まつ)られている例も少なくありません。
神様が宿る木(依代・よりしろ)

神様は巨木や岩、山などの自然物に降臨すると考えられています。

クスノキは、幹が非常に太い、樹齢数百〜千年以上になる、常緑で一年中葉を付ける、圧倒的な存在感などから、神様が宿る樹木とされてきました。

 また、様々な自然環境にも耐え葉が落ちても再び芽吹くことが多く「生命力の象徴」とされています。

長崎県の山王神社境内入口にある「被爆クスノキ」は平和や再生のシンボルとして、天然記念物に指定されています。

 クスノキには、樟脳(カンファー)、シネオール、リナロールなどの精油成分が含まれています。

これらは虫が嫌う、白アリに強い、カビが発生しにくい、細菌の増殖を抑える、腐りにくいといった特長があり、神社建築、宝物殿、仏像、神具にクスノキが多く使われています。

樟脳の歴史
① 古代〜中世
 中国や東南アジアでは千年以上前から香料、防腐剤、防虫剤、医薬品、宗教儀式などに利用されています。

ヨーロッパでは中世に交易品として珍重され、黒死病(14世紀にヨーロッパで大流行したペスト)の流行時には燻蒸剤としても利用された記録があります。
② 江戸時代
 日本では九州(鹿児島・宮崎)を中心に樟脳製造が盛んに行われていました。

クスノキの幹、根、枝を細かく砕き、水蒸気蒸留して天然の樟脳を生成します。
 当時は、着物の防虫、和箪笥の防虫、仏具、香料として使われていましたが、江戸時代には樟脳は高級品であり、日本の重要な輸出品としても扱われていました。
③ 明治〜昭和初期
 世界最大級の天然樟脳生産国となった日本では、台湾や九州産の樟脳が世界中へ輸出されました。
防虫剤としてだけでなく、セルロイド、フィルム、無煙火薬、医薬品などにも広く利用されました。
④ 現在
現在では天然樟脳よりも合成樟脳の生産が主流となり、衣類用防虫剤もピレスロイド系などの新しい成分が広く使われるようになり、国産の天然樟脳は九州のほんの一部でしか造られていない非常に希少なものとなっています。

 天然樟脳は、クスノキから得られる天然の揮発性成分で、常温でも少しずつ気体になって空気中へ広がる「昇華性」という性質があります。虫を殺すのではなく「寄せ付けない」「産卵を避けさせる」忌避剤で、衣類を守る防虫剤です。天然由来の独特な香りは、環境志向や自然素材を好む人々を中心に今も利用されています。
天然樟脳が支持される理由
天然樟脳は、防虫効果だけでなく次のような価値から現在でも愛用されています。

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